2022年
北条加蓮
誕生祭

2022.09.05 [mon] HAPPY BIRTHDAY

アイドルマスターシンデレラガールズが10周年、スターライトステージが7周年を迎えた2022年。タイトルとして大切な節目の年に訪れた、北条加蓮のお祝いを掘り下げました。

Today Special Illustration

イラスト提供:ちやた 様(@tiyata_

Illustrator's Comment :

お誕生日おめでとうございます!加蓮ちゃんにとってキラキラ輝く素敵な一年になりますように!

Twitterに投稿されたイラスト

タイムライン

10周年記念企画

プロデューサーインタビュー

プロデューサー名:

カーターP

歯を食いしばってでも食らいついていこうとする 目が離せないアイドル

━ アイマスP/ファンとしての簡単な経歴を教えてください

高校時代にニコニコ動画でニコマス動画に出会ったのが始まりですね。当時は高槻やよいと星井美希が好きで、後に天海春香に落ち着きました。デレマスはモバゲー版シンデレラガールズをプレイし始めたのが始まりですね。如月千早の水着SRを狙っていた記憶があります(笑)

━ 加蓮さんとはどのように出会われましたか

あれはシンデレラの2ndライブが終わった後の正月のモバマスのお年玉ガチャでした。当時のお年玉ガチャはステップアップ形式で1回目が10モバコイン、2回目が100モバコイン…という風に最初はお得な値段で限定レアが排出されるガチャを引くことができ、当時シンデレラでは担当アイドルもおらず無課金Pだった僕ですが、せめて正月くらいはと思って10モバコインを1度だけ回してみたんです。そしたら限定SRの[夜宴の白芙蓉]北条加蓮が当たりまして。 当時高ステータスの限定SRで当然無課金Pには逆立ちしても手に入らないような高額レートのSR、まだ担当アイドルでもなかった彼女を、僕は喜び勇んでトレードに出そうとしました。まだスタミナドリンクとの交換レートが高いうちにトレードして、資産として貯蓄しておこうと思ったんですね。ですがその時に不思議とせっかくだからもう1回くらいガチャを回してみるかという気になりまして、今度は100モバコインのガチャを1回、回したんです。 流石に2匹目の鰌も居るまいと、半ばお布施のような気分で回したガチャでした。 数秒後、僕のもとに二人目の[夜宴の白芙蓉]北条加蓮がやってきました。 その時に直感的に『ああ、僕の担当アイドルはこの娘なんだな』と。 それから8年。 その後の人生を激変させてしまう僕と北条加蓮というアイドルの出会いは、天文学的な確率とたったの110円から始まったわけです(笑)

━ 北条加蓮さんについて、知った当初の印象と、今の印象をお教えください。​

知った当初は、儚げで、だけど少しづつ前をむこうとし始めた少女といった感じでしょうか。今は気づいたら僕よりも前を元気に走っていて、油断してるとおいて行かれそうになる目が離せないアイドルですね。

━ 加蓮さんのどのようなところが好きですか

人格としての立脚点に諦めと悔しさを持っているところですかね。這いつくばって、泥だらけになって。でもそこから歯を食いしばってでも食らいついていこうとする人間が大好きなんですよ僕(笑) そして僕はアイドルマスターというコンテンツはアイドルが成長して、それをプロデューサーが手助けして、そしてプロデューサーもほんのちょっとずつ変わっていく。そういう物語として楽しんでいるので、北条加蓮と一緒に泥まみれになりてえなと(笑) こっちがちょっとでも気を抜くとあっという間に置いて行かれてしまう。そしてずっと先であの悪戯っぽい笑顔を浮かべながら早くしろとはやし立てるんです。 少なくとも僕にとっての北条加蓮はそんなアイドルで、そんな一瞬たりとも気が抜けないような北条加蓮が僕はたまらなく好きなんですよねえ。

━ これまで加蓮さんをどのように応援してこられましたか

色々やりました(笑)色々やりすぎてじゃあ全部あげてみろと言われるとちょっと収拾がつかなくなってしまうので1つだけあげるなら、2018年の幕張メッセで開催されたニコニコ超会議に自身の車を北条加蓮仕様の痛車にして展示したことですかね。 当時はちょうど第7回シンデレラガール総選挙の真っ只中ということもあり、お手製の選挙応援チラシを用意してスーツを着て自分の痛車の前で投票呼びかけをしてました(笑) 今考えてもよくやったなあ。チラシを渡したら他のアイドルの担当Pさんで変な空気になったり(笑)とにかく加蓮を1番にしようと必死でした。必死だけど楽しかったですけどね(笑)

● 写真は翌年 第8回シンデレラガール総選挙時のもの
● ナンバープレートはプロデューサー様のご意向によりそのまま掲載しています

毎回お祭り騒ぎ

━ シンデレラガール戴冠時の思い出を教えてください

とにかく大変でした(笑)大変でしたが楽しかったですね。他の加蓮P達と投票呼びかけのための企画を考えたり、作戦会議をしたり。加蓮P達は選挙のたびに毎回お祭り騒ぎになるので、乗り遅れないように必死でした(笑) 戴冠が決まった時は職場で勤務中だったのですが、ちょうど昼休憩の時間で発表を見てしばらくフリーズして立ち尽くしてました(笑)そのあと午後の仕事の記憶がないです(笑)

━ これまでの総選挙の思い出を教えてください

やはり第8回ですかね。ニュージェネレーションズ最後の一人としてシンデレラガールを狙う本田未央との激突と突如彗星のように現れ総選挙に激震を起こした夢見りあむ。綺羅星のごとく集うアイドルのその年の頂点を競うシンデレラガール総選挙でも、史上類を見ないほどに熱く波乱に満ちた総選挙だったと思います。 そして僕自身も絶対に今回で加蓮にシンデレラガールの座を取らせてみせると類を見ないほど本気だっただけに、終わった後は1位をとれなかった悔しさや終わってしまった脱力感でしばらく抜け殻のようになってました(笑)

━ 印象深いライブやリアルイベントはありますか

印象に残っているのは3rdライブですかね。当時北条加蓮の親戚のお姉さんが多忙なこともありライブに出られず、当時放送直後だったアニデレでトライアドプリムスが歌ったTrancing Pulseがライブで初披露されたんです。その時にステージ上で歌う渋谷凛役の福原綾香さんと神谷奈緒役の松井恵理子さんの後ろにラスサビ前の一番盛り上がるところで見覚えのあるアイドルのシルエットが投影されて。 悔しかったですね。周りの同僚たちにはよかったなと声をかけられましたけど、内心悔しさで泣きそうでした。 なんでかってそのライブではほかにも出演の叶わなかったユニット単位のアイドルがいるにもかかわらず、そういった特別な演出があったのは加蓮だけだったんです。 それが当時の僕にはなんだか北条加蓮というアイドルがライブに置ける「エモさ」の舞台装置にされた気がして我慢ならなかったんです。 なんで加蓮だけ特別扱いすんだよと、病弱だった過去を乗り越えてようやく他のアイドルと同じ土俵に立った加蓮をまた「特別」の枠に押し込めるのかよと。 いやー、今振り返ると我ながら若かったなあ(笑)これ書いてる今も当時を思い出して若干顔熱いです(笑) だけど当時はそれだけ熱量をもってアイドルプロデュースに向き合ってたんだなあとおじさんになった今しみじみと懐かしく思いますね(笑)

一歩引いた俯瞰した目線で見えてくるものもあって面白い

━ この10年を振り返っていかがですか

昔は若かった、これにつきます(笑)今は流石に昔ほどの熱量は維持できないので自分のペースでアイドルプロデュースをやってますが、それはそれで一歩引いた俯瞰した目線で見えてくるものもあって面白いですね。 加蓮については、元々常に印象が変わっていくやつなので(笑)ちょっと油断すると『お前そんな1面もあったのか!?』と思わされるびっくり箱みたいなアイドルなので、これからもハラハラワクワクしながら付き合って行けたらなあと(笑)

━ あなたのプロダクションの加蓮さんの特徴や設定があれば、教えてください

めちゃくちゃ負けず嫌いですね。そんで自分の芯があって頑固なんで納得いかないことがあったら頑として動かないのでよくぎゃーこら喧嘩してます。あと悪戯好き(笑)

━ 特に思い入れの深い楽曲やイベント、コミュはありますか

Frozen Tearsですね。リアルライブには3rdライブから参戦だったので、5thライブで聞いたこの曲が初めて現地で聞いた北条加蓮のソロ曲だったんです。あの時ステージ上で曲のラストに加蓮と渕上舞さんがそっとつぶやいた言葉は、今でも僕の大事な宝物です。

次は舞台袖でお会いしましょう

━ あなたにとって「プロデュース」とは何ですか

『とことんアイドルに向き合うこと』ですね。

━ これから「シンデレラガールズ」や「北条加蓮」と出会う新しいプロデューサーさんに伝えたいことがあれば、お聞かせください。​​

北条加蓮やアイドル達と『はじめまして』ができるのは、僕ら既存のプロデューサーがどんなに願い望んでも決して叶えることができない機会です。楽しんで!
願わくは、貴方と、貴方に魔法をかけてもらうことを待っているアイドル達にたくさんの苦難と幸福がありますように!

それでは、次は舞台袖でお会いしましょう!!

━ 10年間を振り返って、これまで「シンデレラガールズ」を創り上げてきた公式関係者の方に伝えたいことがあれば、お聞かせください。​​

よくも人の人生をめちゃくちゃにしてくれやがったな!!ありがとうございます!!!!

プロデューサー名:

へるむP

見ているこちらの胸をぎゅっと締め付けてくるようなギャップに、ズルいなぁと思わされます

━ アイマスP/ファンとしての簡単な経歴を教えてください

アイマスに初めて深く触れたのは、知人に薦められて軽い気持ちで観始めたシンデレラガールズのアニメ1期(2015年1月放送開始)からです。それ以前もアイマスという有名な作品があってゲームが色々出ていることは知っていたので、「まあそのうちのなんか派生?みたいなやつなんやろなぁ」というゆるい理解をしていました。 1期を追ううち、次々とデビューしていくアイドルたちの魅力や努力に触れ、卯月ちゃんの頑張りを応援し、毎話巻き起こるハプニングにハラハラし、卯月ちゃんの笑顔に癒され、っていうか卯月ちゃんが可愛かったんですよね。 そんな自分が初めてアイマスのゲームに触れたのが、1期が終わっておよそ半年後の2015年9月10日。「スターライトステージ」、デレステiOS版のリリース初日です。 当時のスクショを漁ってみたら、最初に選んだアイドルはやっぱり卯月ちゃんでした。ちょろい。 ……ところで、モバマスの存在自体を本っっ当に初めて知ったのはリリースから1,2年後?くらいに放送されていたテレビCMです。卯月ちゃんがブルマ姿で運動会するやつ。当時は携帯すら持ってませんでした……。

━ 加蓮さんとはどのように出会われましたか

加蓮ちゃんとの出会いは、日付までばっちり覚えています。2015年9月11日。なぜならこの日はデレステiOS版のリリース翌日、初めて石を貯めて10連ガシャを回した日です。 当時アニメ1期を履修し、卯月ちゃんに惹かれてゲームを始めました。ですから当然、お目当てはSSR島村卯月。ですが、わくわくしながら回したガシャから出てきたのは、アニメに登場しないまだ見ぬアイドルたちのRカードばかり。 唯一金色のしおりがついていたSRは……パジャマ姿でベッドに寝転がり、顔を赤らめて笑う女の子でした。 

「……誰?」

 これが、僕と北条加蓮との出会いです。
 アニメ1期をお薦めしてくれた知人に「こんな子出たけど」とメールしたところ、「その子いまやってる2期でめちゃくちゃ活躍してんで!!!」と猛烈にプッシュされ、そこでようやく2期の存在を知りました。 推されるがままに2期を見始めると、確かにそこにはレッスン着に身を包んだ加蓮ちゃんの姿がありました。アイドルとして活動できる喜びと後輩ユニットとしての焦り、そんな葛藤を感じさせる一心不乱な練習風景。 そして何より、22話の『Trancing Pulse』。そこで彼女が着ていた衣装は、自分の手のひらの中で彼女が着ているのと同じもの……そう、初めてガシャで引いたパジャマの、特訓後の姿でした。雷に打たれたような衝撃に、これからも加蓮ちゃんを応援していくことを心に決め、続く23話の『心もよう』と24話の『S(mile)ING!』でぐちゃぐちゃになるまで泣きました。 

……結局卯月ちゃんじゃねーか!!!!!

━ 北条加蓮さんについて、知った当初の印象と、今の印象をお教えください。​

加蓮ちゃんとの出会いは初期Rカードではなく[煌めきの乙女]だったので、後から初期Rを見て最初に「同一人物???」と混乱したのを覚えています。表情がグッと厳しいのもありますが、何よりも髪型が全く違ったので。 そんなわけで、最初のうちは「毎回違うヘアアレンジを楽しむおしゃれさん」のようなイメージでした。実際のところ趣味はネイルアートですし、私服姿を見ていてもそのイメージはあながち的外れではなかったようです。 逆に当時は思いもよらなかったことですが、より彼女を深く知った今では「負けず嫌い」の印象が何よりも強いです。[煌めきの乙女]はイラストもセリフも儚げな印象を抱かせるものばかりですが、アニメ2期、そして以降のカードやゲームのイベントを見ていくうちに、逆境に負けない芯の強さがより深く印象に残るようになりました。 ちなみに、ある程度加蓮ちゃんのことを知るようになってから改めてアニメ2期を見返してみたことがあります。2回目の感想は「こいつちゃっかりポテト食ってやがる!!!」でしたね。細かいネタに気付けるようになってました。

━ 加蓮さんのどのようなところが好きですか

「憎たらしい」ところです!!!! ……と、言い切ってしまえばそれまでなのですが。 加蓮ちゃんといえば多くの方が「元病弱」というイメージをお持ちかと思います。ですが実際に彼女をそばで見ていると、今の彼女はそんな過去を全く感じさせない悪戯っぽい笑みでこちらをからかってくる、小悪魔のような少女です。 普段はめんどくさいだなんだとぼやいたり、あるいは負けず嫌いなところもある彼女は、わざわざ挑戦的な態度で憎まれ役を買って出てみたり。 それでいてシリアスなお仕事では途端に儚げな表情を浮かべ、時には素直に気持ちを伝えてくる。そんな、見ているこちらの胸をぎゅっと締め付けてくるようなギャップに、ズルいなぁと思わされます。 そんな彼女のいろんな表情を一言で表せる言葉はないかと考えた時、思い浮かんだのが「憎たらしさ」でした。これからは「憎たらしアイドル」として……ちょっと語感が悪すぎますかね……。

━ これまで加蓮さんをどのように応援してこられましたか

加蓮ちゃんを応援するため、と言いつつ小説を書いてみたりケーキを作ってみたり、じゃがいも育てたりカホン叩いたり……。新しいカードが追加されるたび聖地巡礼もしましたし、最近では加蓮ちゃんの趣味を真似てネイルアートなんてものも始めてみたりして。 指折り数え始めるとキリがないほど、本当にいろんなことをしでかしたなぁと省みるばかりです。 思えばもし加蓮ちゃんと出会わなければ、机の上にネイルセットが置かれることもベランダにプランターが並ぶこともなかったでしょう。なんなんだこの家は。

「1ヶ月続く文化祭」のようなもの

━ シンデレラガール戴冠時の思い出を教えてください

第9回総選挙ではたくさんの人に加蓮ちゃんの顔を覚えてもらうためにTwitterであれこれ企画をしたり、他アイドルのプロデューサーさんにも加蓮ちゃんのことを深く知ってもらうためにプレゼンをしたり……期間中はほとんど毎日、昼夜問わずに何かしら作業をしていたような記憶があります。徹夜してプレゼン資料作ったり動画作ったり、今振り返っても、本当に大変だったなぁ……と思うばかりです。 しかしながら、努力が実を結んだ瞬間の喜びは今も忘れません。 他のプロデューサーさんたちと通話しながら結果発表を今か今かと待機して、みんなで一緒に叫んで泣いて。その後は平日なのに昼間から夜までず〜〜〜っとお酒飲んでましたし。 それに大変だった期間中のあれこれも、例えるなら「1ヶ月続く文化祭」のようなもの。たくさんのプロデューサーさんたちと一緒になってヒーヒー言いながら駆け抜けた総選挙は、これまでの人生の中でも最も濃密な楽しすぎる1ヶ月でした。 それに、誰より一番頑張ったのは他ならぬ加蓮ちゃん自身ですからね!! おめでとう、第9代シンデレラガール・北条加蓮!!!

━ これまでの総選挙の思い出を教えてください

特に印象に残っているのは高垣楓さんがシンデレラガールに輝いた、第6回総選挙です。 この時の結果発表は例年とは異なり、同じ日に開催されていた5thライブツアー・宮城公演の中で結果が発表になりました。ライブビューイングで参加したこのライブには加蓮ちゃんと渕上舞さんは出演されていませんでしたが、「いざという時のために」と加蓮ちゃんのペンライトを1本だけ持って行っていました。 そこでサプライズ的に発表された順位。映画館に来ていた他のたくさんのプロデューサーさんたちと一緒に歓声を上げながら結果を見守り、第8位で加蓮ちゃんの名前が呼ばれた時は大声で叫びながらペンライトを振りました。 公演が終わってから改めて順位を確認し、総選挙楽曲圏内にぎりぎりで入れていないことに気付いた時の悔し涙も合わせて、強烈に印象に残っています。 (これ以降、担当アイドルの出演しないライブでも「護身用」と言いながら1本だけペンライトを忍ばせていたりして)

━ 印象深いライブやリアルイベントはありますか

加蓮ちゃんと渕上さんが出演されるライブではいつも、周りの席のプロデューサーさんたちに「加蓮ちゃんのソロが来たら振ってください」とお願いしながらミントグリーンのサイリウムをお渡ししています。始めたのは初現地だった5thライブツアー・福岡公演から。 最初は「ソロ曲が来たら自分は立っていられない気がするのでせめて代わりに振ってほしい」という理由だった気がします。 ですが初現地以降なかなか『薄荷 -ハッカ-』が披露される機会に恵まれず、今回こそはと思いながらサイリウムを配ることを続けるうちに、いつしかそれが『薄荷』を聴くためのおまじないのような気持ちになっていました。 そして7thライブツアー”Glowing Rock!”、大阪公演にて、ついに披露された『薄荷』。しかもなんと、生演奏の特別なアレンジという豪華なステージ。 MCが終わって会場がしんと静まり返り、生演奏のピアノによる最初の1音が鳴った瞬間(誇張ではなく本当にその瞬間)に全てを察して崩れ落ちました。 すると、視界の端のほうが明るくなり……ちらっとそちらを見れば、隣のプロデューサーさんがお渡ししたサイリウムを振ってくれていました。前列も、後列のプロデューサーさんも。それを見て、待ち望んでいたステージが実現したんだとようやく実感すると共に、これまで信じてやってきたことはなにも間違っていなかったんだと救われたような気持ちになり……後のことはよく覚えていません。 公演終了後に隣のプロデューサーさんから「サイリウムありがとう」とお声がけをいただきましたが、お礼を言うのはこちらです。担当アイドルの大切なステージを彩ってくださり、ありがとうございました。近年は「モノを配る」行為にも配慮が必要な情勢が続き、ライブの現地にもなかなか縁遠くなってしまっていますが、また、いつか。

加蓮ちゃんの中の「焦り」というものが少しずつ薄らいできた

━ この10年を振り返っていかがですか

デレステ始めた頃は課金のたびにもっといちいち葛藤してたはずなのにな!!! ……という個人的な変化はさておき。 当初の加蓮ちゃんはまだまだ他のアイドルたちに喧嘩腰な態度を取ることがあり、プロデューサーとしてはハラハラしながら見守っていました。それが最近では後輩や年下のアイドルのお姉さん的な立場になることも多くなり、ずいぶんと接し方が丸くなったなあという印象を受けます。 おそらくそれは加蓮ちゃんの中の「焦り」というものが少しずつ薄らいできた結果なのかな、と感じています。 かつての加蓮ちゃんは病弱だった過去、「弱い自分」を隠すために焦ってレッスンに取り組むことがしばしばありました。その焦りが「アイドルとして結果を残さなきゃ」という気持ちに繋がり、時には攻撃的な態度につながっていました。 ところがここ最近、特にモバマスの「テイルズオブシンデリア」やデレステの「Never ends」を経て、少しずつその「弱い自分」をテーマにしたシナリオやセリフが増えてきたように思います。弱い部分を隠さなくてもいいという余裕さえ見せてくれるようになってきました。 「弱さを見せられる強さ」というのが、加蓮ちゃんの貪欲さとも違う新しい魅力なのかもしれません。

━ あなたのプロダクションの加蓮さんの特徴や設定があれば、教えてください

えっっっ妄想垂れ流していいんですか!???!?!?!!!!!!????!??!?? ごくまれに創作をすることもあるのですが、小説の中に登場するプロデューサーの言動を自分と同じにしてしまうとシリアスというものが崩壊してしまうので、創作物の中のプロデューサー像は至って真面目です。加蓮ちゃんの描写もなるべく公式準拠を意識していますので、あまり特有のものはありません。 が、せっかくの機会なので、試しに自分自身がそのままプロデューサーになったらどうなるか考えてみます。 なにぶんプロデューサー本人に落ち着きというものがまるでないので、普段から加蓮ちゃんも一緒になってバカやったり奈緒ちゃんをからかったりしてると思います。なんなら加蓮ちゃんの方がよっぽど落ち着いてそう。 それと願わくば、毎年加蓮ちゃんの誕生日に用意する手作りのケーキ……おっさんの手作りだけど、実は内心ちゃんと楽しみに待っていてくれている……といいなぁ……。 仕事先の撮影現場でスタッフさんが用意してくれるケーキも喜んで食べるけど、ちゃんとプロデューサーのケーキ食べるお腹の余裕は残して事務所に帰ってきてくれる、とか。 「あーあ、有名店のケーキ食べ損ねちゃったな〜」なんて、わざわざプロデューサーに聞こえるように言いながら、とか。 くっそ〜〜〜憎たらしい〜〜〜〜可愛い腹立つ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!

━ 特に思い入れの深い楽曲やイベント、コミュはありますか

加蓮ちゃんの他に佐久間まゆちゃん、神谷奈緒ちゃんの2人のアイドルの担当をしています。そしてこの3人の担当アイドルがみんな歌ったことのある楽曲、それが『Love∞Destiny』(ラブデス)です。 (オリジナルメンバーの加蓮ちゃんまゆちゃんはもちろん、奈緒ちゃんも漫画『WILD WIND GIRL』の特典CDの中で加蓮ちゃんとデュエットで歌っています) そして、デレステから加蓮ちゃんを知った僕にとっては、デレステのラブデスイベントこそが初めて走る担当イベントでした。 楽曲そのものも本当に好きで、好きすぎるあまりCDを複数枚購入して手作りのガシャ演出封筒に入れて「シンデレラガールズ」を知らない知人にまで郵送して布教したり……。 思えば、ゲーム内でも外でも、初めてまともに「プロデュース活動」をしたのがこの曲でした。いろんな面で、とても大切な一曲です。 ……ちなみに最高のお気に入りは2番の冒頭加蓮パート、「ふたりだけの秘密のキス」の部分。「ひみーつーのぉ」の「ぉ」の歌い方です。伝われ〜〜〜!

足跡は、自分と加蓮だけのメインシナリオ

━ あなたにとって「プロデュース」とは何ですか

わっかんねえ!!!プロデュースって何なんですかね!!! 今まで散々迷走したプロデュース活動を続けてきましたが、それでも「アイドルが主役!」ということは肝に銘じています。プロデューサーはステージに立たない日陰の存在ですから、あくまでも活動を見てくれた人に加蓮ちゃんを知ってもらうことこそが目的です。 とはいえ、悪目立ちをしない範囲でプロデューサー自身が楽しむことも、とても大切なことだなと思います。 楽しくなければ続かない、ということももちろんその通りですし、楽しそうにやっていれば輪の中に入ってきてくれる人も増えます。 そして何より、楽しければそれだけ良い思い出になります。 加蓮ちゃんや他のプロデューサーさんたちと一緒に楽しくいろんな活動をしてきて、たまにふとこうして過去を振り返る時。「あんなこともやったなぁ、あの時は楽しかったなぁバカだったなぁ」って、書ききれないくらいの思い出が残っています。 この右往左往しまくった足跡は、ゲームの中では読むことができない俺だけのメインシナリオ。他のどんなプロデューサーさんとも違う、僕と加蓮ちゃんだけの「プロデュース」の軌跡です。

━ これから「シンデレラガールズ」や「北条加蓮」と出会う新しいプロデューサーさんに伝えたいことがあれば、お聞かせください。​​

僕がシンデレラガールズを知ったころはちょうどアニメやデレステが始まり、新しいプロデューサーさんたちがどかっと増えた過渡期でした。始めた頃は自分自身を「新参」と卑下してどこか遠慮がちだったと記憶しています。 時を経るごとにシンデレラガールズ、そして北条加蓮というアイドルが自分の中で特別な存在になっていくにつれ、いつの間にやら新参意識も薄れていきました。 これから始めるプロデューサーさんたちにとって北条加蓮というアイドルは「第9代シンデレラガール」です。気後れしてしまう気持ちがあってもおかしくはないと思います。 ですが加蓮ちゃんの物語は頂点に立ったところで終わってしまったわけではありません。むしろ、そこから新しいお仕事が増えて、新しい魅力につながっていくのだと思います。そんな繋がりから興味を持って「新参者」が増えてくれるなら、かつて新参だった者としてこんなに嬉しいことはありません。 新しいプロデューサーさんたちにとっての「北条加蓮はあなたが育てたアイドルだよ」という言葉が、いつかきっと言葉以上の意味を持って実感できる、大切なメモリーになりますように。

━ 10年間を振り返って、これまで「シンデレラガールズ」を創り上げてきた公式関係者の方に伝えたいことがあれば、お聞かせください。​​

7年前にデレステを始めた日のスクショと、今のデレステのゲーム画面。見比べると、新しいボタンや機能がたくさん増えて、ずいぶんと様変わりしていました。 ただ同じことをやり続けるのではなく、変化を恐れず常に新しいことに挑戦していくアイドルマスターシリーズ。シンデレラガールズもその例にもれず、チャレンジとアップデートの10年間だったように思います。ライブの最後に恒例になっている告知ではゲームの新機能や新しいカードだけでなく、漫画やアニメ、イベントやコラボなどいつも本当に盛りだくさんの内容で、時に驚き時に困惑しながらも、毎回ワクワクしながら楽しみにしています。 そして、そんな告知映像の最後にいつも表示される「The clock of the cinderella never stops!」の文字。 童謡の魔法とは違い、12時を過ぎてからも時計の針は止まらない……そんな一言が、ライブが終わってしまう寂しさをかき消してくれ、新しいことに挑戦する元気をくれる。まさにこの言葉こそ、明日を想う”勇気のカケラ”でした。 10年という長い期間。その中には、変わってしまったものも、無くなってしまうものもあります。ですがこれからも新しい挑戦を恐れることなく、解けない魔法の続きを見せていただけたなら……プロデューサーも置いていかれないように、アイドルたちに頑張ってついていこうと思います!
「The clock of the “CINDERELLA GIRLS” never stops!」!!!

プロデューサー名:

もだんP

彼女の人生を華やかに彩る、その手伝いができれば

━ アイマスP/ファンとしての簡単な経歴を教えてください

ちょっと異質ではあるのですが、職場での話題作りのためにグラブルを始めていたのですが、当時来ていたシンデレラガールズコラボがきっかけでモバマスを始めました。確か8年くらい前になるかと思います。当時はグラブルメインでしたのでそんなに真剣にプレイしていたわけではなく、ぼんやりと凛を気に入っていたと記憶しています。そのころちょうどアニメアイドルマスターシンデレラガールズが始まって、それは欠かさず見ていたのを覚えています。同時期に始まったデレステも初日からプレイしていました。

━ 加蓮さんとはどのように出会われましたか

記憶がおぼろげではあるのですが、明確に出会ったという印象があるのはデレステで[煌めきの乙女]北条加蓮を引いたときかと思います。これは私の悪い癖ではあるのですが、コミュを読む前にとりあえず特訓したら、さっきまでベッドの上で体調悪そうにしていた女の子が舞台の上で煌めいていました。そこから逆にコミュを読み、北条加蓮の人となりを知っていく中で、このアイドルを育てたい、と思うようになりました。

━ 北条加蓮さんについて、知った当初の印象と、今の印象をお教えください。​

病弱な一面もあり、色のない人生を送ってきた女の子だったのだな、というのが当初の印象でした。だからこそ、彼女の人生を華やかに彩る、その手伝いができればよい。少なくともそれだけの可能性を[煌めきの乙女]北条加蓮から感じました。 今は……病弱だった要素もどこへやら。すっかり彩り豊かな人生を送りながら、高校生らしい日々を送ったり、アイドルとして輝いたり。そんな日常を送れている描写1つ1つを見て、良かったね、とため息をこぼします。

━ 加蓮さんのどのようなところが好きですか

いろいろあって選ぶのが難しいのですが、一番は生き様、でしょうか。 病弱だったことから人より体力がなくて、アイドルとして活動するのにも苦労して。だけどそれも乗り越えて、他のアイドルとぶつかることもあるけれど、さらに先へ、高みへと歩みを続けて――トップに立って。そしてそれからもさらに先へと歩いていこうとする。人間、どこかで挫けても不思議ではありません。それでも何度も諦めることなく、先へ、高みへと向かっていける彼女の生き方、生き様が好きです。

━ これまで加蓮さんをどのように応援してこられましたか

正直、応援・育成という意味ではシンデレラガールを取るまでは他の加蓮Pの方々が加蓮を盛り上げてくれるので、それにのっかるだけだったように思います。個人的に、選挙という概念が好きなので総選挙は毎度多面的に楽しんでおりました。むしろシンデレラガールを取った2020年の6月以降、月1以上必ずトリクロマティック・ナチュレのSSを投稿していることの方が自分にとってはそういった要素に携わっている、と思えるかもしれません。

━ シンデレラガール戴冠時の思い出を教えてください

先にも記載したのですが、とりあえず投げられるだけの投票券を投票して、後はほかの加蓮Pさんが主催するイベントに参加していたという印象です。ただただ楽しかったのはよく覚えています。シンデレラガールを戴冠した時は、その日は仕事だったのですが、昼休みに普段はつけないゲームを起動して、結果を確認して、肩の力が抜けていくのを感じるとともに、良かったな…と安堵の想いに浸ったように思います。

━ これまでの総選挙の思い出を教えてください

第7回と第8回でしょうか。このころから課金して加蓮に投票する、というのを始めたような記憶があるのもそうですが、何よりも選挙の結果が印象的でした。もし第7回の総選挙で3位に入れていなかったら――、もし第8回の総選挙で2位に入れていなかったら――、そう考えると、第7回、第8回を戦い切った加蓮Pの先輩の皆様は本当にすごいと思いますし、その活躍があったからこそ今の加蓮があるのだな、と思っています。

━ 印象深いライブやリアルイベントはありますか

初めてデレマスのライブを見たのが、LVでの6th名古屋。FrozenTearsから始まる2日目ラストのセトリがあったからここまでデレマスを深く知るに至ったように思います。現地のライブですと、7th大阪ですかね。やっぱり薄荷 -ハッカ-の与えてくれた影響は大きくて、あれが第9回総選挙の大きな火付け役になったと感じています。

1つ1つ、夢を叶えていく時間だった

━ この10年を振り返っていかがですか

1つ1つ、夢を叶えていく時間だったのかな、と思います。 最初は彼女は、自分のことしか見えていなかったんじゃないか、という感覚を持ちます。 その中でプロデューサーと出会って、アイドルとしての輝きを得て、最初の夢が叶います。 アイドルとしての輝きを手に入れた彼女は、周りが見えるようになっていきます。その中で今までいろいろ負担をかけた家族への感謝を伝える、という夢を叶え、アイドル仲間と時にはぶつかり合い、時には笑いあって成長していく、という普通の高校生のような生活ができる、という夢も叶えました。 いい意味で欲の強い彼女は、更なる高みを、アイドルとしての頂点を目指すと宣言し、そして叶えました。そしてそこからも、彼女は歩き続けています。 もちろん病弱であった感じが今はほとんどないとか、明るく元気になったとかそういう意味での印象の変化はありますが、彼女についての印象はそんなに変わってはいないかもしれません。ただただまっすぐに。時にはキラキラ輝きながら、時には泥臭くも歩き続けるシンデレラ、それが私にとっての北条加蓮です。

━ あなたのプロダクションの加蓮さんの特徴や設定があれば、教えてください

公式の印象からはそんなに変わらないような印象を持っています。過去を受け入れ、今を精一杯楽しみ、未来へ駆けていく、そんな女の子です。 しいて言うと、こっちがプロデュースをしっかりすれば、彼女が応えてくれないことはないし、向こうもプロデューサーが準備したものなら大丈夫でしょ♪くらいの相棒的な距離感にいてくれているような感じはします。

━ 特に思い入れの深い楽曲やイベント、コミュはありますか

曲として好きなのは「ガールズ・イン・ザ・フロンティア」です。また、この曲は加蓮にとても似合うと思っています。譲れない夢があって。だから1歩1歩歩みを進めて、自分の足で歩いてきたからこそ、今の北条加蓮があると思っているので。凛と奈緒がやってくれたわけなので、加蓮の「だから拓け」も聞いてみたいですね。 コミュで言うと「Trinity Field」です。コミュの良し悪しはともかく、あのコミュの中で加蓮が「北条加蓮という名を刻みつけたい」という旨のことを言ったのが本当に印象的でした。(自分もそんなこと思ってたこともあったなぁ、と思いつつ)あそこで一層加蓮をプロデュースして、歴史に名前を刻ませてやりたい、と思うようになったかもしれません。

━ あなたにとって「プロデュース」とは何ですか

私が加蓮と出会ったころには、加蓮は病弱なだけではなくて、時々道を間違えることはあるけれど自分で歩いて行ける子でした。そこから逆算的に加蓮の過去を知ったような感じです。だからこそ自分にできたプロデュースというのは、加蓮の手を引いてあげるというよりも、加蓮がまっすぐ歩けるための準備、サポートをするくらいでした。その意味では、加蓮がやりたい、こうしたいということを承認し、そのためにPとしてできることをしっかりこなす。ということは意識しているかもしれません。そうすれば加蓮はしっかり煌めいてくれるという謎の信頼感が、どこかにあるような感じもします。本当に相棒みたいです。

他の人とは違うあなたにとっての北条加蓮が、そこにいてくれる

━ これから「シンデレラガールズ」や「北条加蓮」と出会う新しいプロデューサーさんに伝えたいことがあれば、お聞かせください。​​

北条加蓮はどのタイミングで出会ったか、どのカードから出会ったかによって、多面的な表情を見せてくれるアイドルだと思います。病弱だった過去に始まるシンデレラストーリーも持ち合わせていますし、ネイルを始めとしたおしゃれな女の子という要素もあれば、一方でポテトに始まるようなちょっとコミカルな方面もいけるようになりました。ぜひ、あなたの出会ったあなたの好きな北条加蓮をそのまま受け入れてあげてほしいなと思います。きっと他の人とは違うあなたにとっての北条加蓮が、そこにいてくれると思います。

━ 10年間を振り返って、これまで「シンデレラガールズ」を創り上げてきた公式関係者の方に伝えたいことがあれば、お聞かせください。​​

10年間という長期にわたって、1つのコンテンツを継続しているというのはとても大変なことであると思います。その中で、北条加蓮というアイドルを生み出してくださったこと、そして彼女の物語を描き続けてくださっていることに心からの感謝を申し上げたいです。 今後とも北条加蓮をよろしくお願いいたします。

インタビューは逐次追加予定です